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お茶を自分とウチのグラスに注ぎながら叔母さんは、ぐにゃぐにゃにひん曲がったロジックでオミに対抗する。
「はいはい」
目つきの悪い男の子は、叔母さんの口の上手さに慣れているらしく、反論もせずに引き下がると、咀嚼していたカツを飲み込み、お茶を一口、口に含んだ。
「で、詩音、アンタどうなの?」
オミを言いくるめた叔母さんはウチに向き直る。
「来月から学校始まるし、お姉ちゃんみたいにウチは、フルで働けないよ」
また『叔母さん』と言って、会話の流れをぶった切られても面倒なので『お姉ちゃん』と呼ぶことに。
「そんなの分かっているわよ。だから学校が終わった後から夜の十時までで良いから。アンタ、高校では部活やんないんでしょ?」
「やらないけど、その代わり来月から塾も始まるし」
「塾って通う曜日、もう決まっているの?」
叔母さんは、ごくりとお茶を一口飲む。
「入塾テストの時に月、水、金に来て下さいって言われた」
「なら火、木、土で良いわ。社長と同僚達には私から言っとくから」
「いやいや、まだやるって決めてないし。それに高校は、中学の比にならないくらい勉強大変だって聞いたよ」
「産休っていってもあんたが二年生に進級するまでだから、一年生のうちは勉強たいした事ないから大丈夫よ」
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