序章

7/13

8人が本棚に入れています
本棚に追加
/251ページ
他人事だと思って適当な事を言っている気がするけど、叔母さんも十数年前はウチと同じ学校に通っていたわけだし、信じてみても良いかな。 「仕事ってどんな事やるの?」 断るにしても、ちゃんと仕事の内容くらい訊いとかなきゃ。 「事務仕事。書類作ったり、パソコンでデータ管理したり、お茶出ししたり、事務所の掃除とかかな。まぁ、もう一人いる事務の娘が大体やってくれるから実質仕事はあるようで無いんだけどね」 「それなら人件費削減でお姉ちゃんが産休明けるまで誰も雇わない方が会社の為なんじゃない?」 「そうもいかないのよね。私と一緒に働いている娘も休み取ったりするから、そういう時に代わりがいないと大変でしょ?」 「そっかぁ……でもどうしてウチなわけ? 他に目星良い人、いなかったの?」 実は、コレがウチが一番訊きたかった事。 普段は、オミと同じでウチを貶してばかりいる叔母さんが、ウチに自分の代わりに働いて欲しいって言うのは何だか違和感があった。 「アンタっていつも自分の部屋、小綺麗にしているでしょ。それにパソコンも得意だし。事務仕事向いていると思ったのよね」 意外だった。 てっきりウチは叔母さんにズボラだとか、だらしないだとか、そういったマイナスのイメージしかもたれていないのかと思っていた。 「あのさ、具体的にお姉ちゃんが勤めている会社って何をしている会社なの?」
/251ページ

最初のコメントを投稿しよう!

8人が本棚に入れています
本棚に追加