序章

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かなり良い場所に事務所を構えている。 もしかして叔母さんの職場って、かなり儲かっているのかな? 「うん、分かった」 「それじゃぁ頼むわね」 「うん。あ、そう言えばママとパパは?」 名刺をパジャマ代わりのスウェットのポケットにしまいながら、ウチはリビングを見渡す。 空腹が満たされてから両親が居ない事に気が付く最低な娘。 「旅行に行ったわよ。だから、あんたのお守りに、私が駆り出されたわけ」 「そっかぁ。それはそれはご苦労様です。それとごちそうさまでした」 ウチはお姉ちゃんに言われた嫌味のお返しにと、慇懃無礼に深く頭を下げ、食べ終わった食器を持つと立ち上がった。
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