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「奏太さん。今週の木曜日、何か予定はありますか?」
オレたちが、お互いの気持ちを打ちあけ合ってから、一月ほどが過ぎたある日。
バイトを終えて帰ろうとするオレに、慧がそんなことを聞いてきた。
「木曜? うん、一応──友だちに、カラオケ行こうって誘われてるけど」
「そうですか。じゃ、誕生日はお友だちと過ごされるんですね」
「まあ、祝ってくれるっていうより、あいつら、オレの誕生日にかこつけて騒ぎたいだけなんだけどね」
そこまで言って、ハッと気がついた。
「慧──オレの誕生日、覚えててくれてたんだ」
「ええ」
「もしかして……何か用意してくれてた? だったらオレ、友だちの方は断るけど」
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