6 2人だけの誕生日

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「奏太さん。今週の木曜日、何か予定はありますか?」  オレたちが、お互いの気持ちを打ちあけ合ってから、一月ほどが過ぎたある日。  バイトを終えて帰ろうとするオレに、慧がそんなことを聞いてきた。 「木曜? うん、一応──友だちに、カラオケ行こうって誘われてるけど」 「そうですか。じゃ、誕生日はお友だちと過ごされるんですね」 「まあ、祝ってくれるっていうより、あいつら、オレの誕生日にかこつけて騒ぎたいだけなんだけどね」  そこまで言って、ハッと気がついた。 「慧──オレの誕生日、覚えててくれてたんだ」 「ええ」 「もしかして……何か用意してくれてた? だったらオレ、友だちの方は断るけど」
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