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慧のことだから、また前からいろいろ考えてくれていたんじゃないかと、オレはあわてて言った。
「あ、いえ……たぶんその日は、お友だちと過ごされるんじゃないかなと思っていたので、念のため聞いてみただけです」
「でもオレ、慧が祝ってくれるんなら、本当は、慧と2人っきりの方がいいんだけど……」
「お友だちとの約束は、大事にしてください」
慧は、オレの髪をくしゃっと撫でた。
「じゃ金曜の夜、仕事は早めに切り上げて……夜、ここで2人で食事しませんか? 奏太さんの好きなものを、たくさん用意しておきますから」
「うん、わかった! 楽しみにしてる」
ここ最近、慧はずっと仕事が立て込んでいて、せっかく恋人同士になったのに、ぜんぜんそれらしいことができなかった。
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