緋色の祈り４

６ ２人だけの誕生日

　ワガママを言って、慧に迷惑をかけるようなガキっぽいことはしたくなかったから、とにかく仕事が早く片付くように、オレなりに一生懸命手伝ったけど──
　でも本当は、恋人らしく、もっともっと甘い時間を過ごしたいなぁとずっと思っていた。
　だから、慧の方からそう言い出してくれたことは、っごく嬉しかった。

　オレは胸がワクワクしたが、すぐにちょっとだけ冷静になって、職場のカレンダーに目をやった。
　カレンダーには、日付の横にいくつか×印が書き込まれていて……その×がついているのが、餓鬼が現れる日だ。
　それによると、幸い、奴らは今週いっぱいは出てこないらしい。