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「こっちだ!早く来い!!」
「い、痛い!…は、離してください!」
声を聞く限り穏やかではなさそうだ。黒いジーンズ生地の制服を着ているということは、どうやら同じ魔術院の関係者であることが伺える。
「ちょっと、だけだからな?大丈夫、痛いことなんてしねえよ。……気持ち良くしてやるからよ?」
「さ、叫びますよ!」
三人程の男は下卑た笑い声を上げて、黒髪の少女を囲んでいる。少女は目に涙を浮かべ訴えるもの、賑やかな表通りにはその小さな叫びも届かないだろう。
「だぁれも来やしねぇよ!みんな浮かれきっちまってやがるからな!……さて、お楽しみと行こうぜ?」
「い、いや、や、やめて……」
何でこんな目に合わなければ、少女は思う。今日は入学式で、同じ組の人はどんな人だろう、上手くやっていけるかな、と期待と希望を想像していたが、まさか恐怖と絶望に変わろうとするなんて露ほども思っていなかった。
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