第1章

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 お腹が空いたおいらはごろごろと地面をローリングしていた。やべ、こすれたせいで毛が摩擦にやられそうだ。禿げるつもりはないから、力加減は気をつけよう。  地面に複雑怪奇な模様を描くのはなかなか楽しい。何か面白いものでも召喚できたらハッピーだ。ハッピー過ぎて華麗なターンを決めれるな! 必殺ハッピーターンでおいらのターンはえんどれす!!  腹がぺこぺこで背中と結婚しそうな勢いだ。そのせいで、思考が斜めよんじゅーご度くらい傾くな。暇は猿を殺しにかかってる! 腹ぺこは猿を滅ぼしにきている!  ぐーぐー腹は減るし、涎が模様を汚すけど細かいことを気にしたら生きていけないんだぜ。おいらは昔はけっこうやんちゃしたことがある。  つうか、元々はちゃんと物々交換という高度な技術でおにぎりをゲットした。その後は、ふらふら木を渡り歩いていたら、知っている奴を見つけたんだ。  柿を育てあげる蟹は「ちょん切るわよ、ちょん切っちゃうわよ」と物騒な脅しで柿をでかくしていた。あれは命懸けの植物生命による神秘だろうよ。  鋏をしゃきしゃきと鳴らす凶悪な顔においらは若干内股になった。黒歴史だな。
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