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ぶっ倒れているおいらの前に桃太郎らしき人間がいる。その近くにいる犬っころに鼻で笑われた気がする。
おい、年上を敬えよ。あんま調子に乗るなら、雌犬てめえを食うぞ。腹ぺこで爆発なおいらはすげぇからな。
ヒイヒイ泣かせて、キャンキャン鳴かせるぞ。それから、それから……まあ、いいや。こいつはおいらの趣味じゃねぇ。女の艶も色っぽさもない乳臭い餓鬼だな。どうせいい刺激にならねぇや。
昔、おいらがつまみ食いした雀娘の愛らしさを見習え! 命拾いしたな雌犬! 野良犬に食われてしまえ!!
「鬼はあっちだぜ」
びしいっ! と勢いよく道を示した。
隠れ住む鬼の居場所はローリング怪奇模様を扱うおいらには隠せねえぜ。丸見えすぎて、お風呂も覗き放題だ。若さの秘訣だな。へっ、真似すんなよ。おいらだけの特権だ。
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