第1章

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「吉備団子あげようか?」 「お前、月から落下した天使か! 間違えた、天女か。いい奴だなあ」  もらった吉備団子は美味しそうな香りをしているのに、なんだこの禍々しい雰囲気は……見える。見えるぞ、チャクラが額に溜まっていくこの感覚!  アカン、これ近付いちゃアカンやつだ。  カンカン鳴り響く鐘が危険を訴えている。なんていうものを持ってるんだ、こいつは侮れねぇや。月の囁きで待っていた甲斐があるってもんだ。  食べないのか、と残念そうな顔をする桃太郎は愛と希望と欲望と怪しさが詰まった吉備団子を食べているのだろうか。やべぇ、こいつはやべー。  執念が見えるぜ。オーラが渦巻く食べ物とか腹を壊さないか不安になるな。額から汗が吹き出した。脱水症状になったら、訴えてやるぜ!
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