第1章

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 ここは本土からヘリコプターでも30分ほど飛ばないと着けない無人島のコテージである。  かなり辺鄙な所にあるにも関わらず、一部のセレブたちからは隠れ家的存在だからかかなり人気があり、今回エティアたちも初めて訪れた。  もちろん辺鄙な所にあるとは言えターゲット層がセレブである為、設備などもかなり充実しているし、身の回りの世話をするスタッフも一流である。  しかし今回、エティアたちは二人きりの時間をゆっくり過ごしたいと言うことで、事前にコテージの用意だけを頼み、二人がいる間はスタッフたちには立ち入りを遠慮してもらったのだ。  そして二人がここを訪れた最大の理由は世紀の天体ショー、皆既日食を見るためだった。  この惑星に地球と月との関係のような衛星があったことにも驚きだが、この惑星に到着してそれほど長い年月が経ったわけでも無いのにこれだけ大きな天体ショーを見られるとは思ってもなかった。 「エティア、これ着けろよ」  カンナがエティアに少し変わった形のサングラスを手渡した。 「何、これ」 「ジュンが貸してくれたんだ。皆既日食の観察用のサングラス」 「着けなきゃダメ?」  形が気に入らないのか、角度を変えながら見てからカンナに尋ねた。
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