第1章

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「着けた方が良いだろうな。長時間太陽見続けてると、目おかしくするぞ。ここには俺しか居ないんだから、気にすること無いだろう」 「そうだけど…」  少し口を尖らせて不満げな表情を浮かべてからチラリとカンナを見て、諦めたのか渋々サングラスを掛けた。  そして傍らにあった小さな機械を見つけると、それを指差した。 「これは何?」 「ああ、ジュンに頼まれたんだ。皆既日食を撮影して欲しいって」 「どこででも見れるはずでしょう?」 「いろんな地点で撮ったものが欲しいらしい。場所によって見え方の違いがあるか確認したいんだってさ」 「ふーん」  自分で尋ねていながら、興味無さそうに素っ気なく返事をした。  機械工学やフォールドクォーツなどの研究だけでなく、天文学にも深い興味を示すとはいかにもジュンらしい。  エティアがデッキチェアに身を委ねると、カンナもそれに倣ってチェアに腰を落とした。 「そろそろ始まるかな」  独り言を口にしてからサングラスを掛けて太陽を見上げた。
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