第1章

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 二人が見上げる中、次第にゆっくりと太陽に月が重なり初め、少しずつ太陽が欠けて行く。  月の満ち欠けとは違って欠けるはずのない太陽が欠けて行く様は不思議な光景だった。  最初は言葉も発しないでじっと太陽を見ていたが、実にゆっくりとした動きに少しエティアが飽きてきた頃だった。 「太陽かぁ。一番最初にお前のステージ見たときに、まるで太陽みたいなヤツだなって思ったよ」  不意に隣のカンナがそんなことを言い出したので、エティアが少しだけ身体を起こした。 「太陽?私が?」 「笑うなよ?リハーサルの時の歌ってるお前を見て、眼が離せなかった。凄く輝いていて、エネルギッシュで…あれだけ沢山の人が居るのにみんなお前のことだけ見てて、本当にみんなの中心だなって思ったんだ。それで光輝く太陽みたいだって思ったのを思い出したよ」 「私がみんなの中心なのは当たり前じゃない」  胸を張って言うエティアに、カンナは少しだけ苦笑いを浮かべた。 「でも意外ね。私のことそんな風に思ってたなんて。生意気なヤツって思ってたんじゃないの?」 「それは思ってたよ」 「何ですって!?」  否定して欲しかったのに、あっさりカンナが肯定するのでエティアが怒って身体をガバッと起こした。
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