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「クレアのこと、好きかって聞かれたら好きだよ。でも、アイツの好きと俺の好きは根本的な所が違うからな。出撃の前に気持ち伝えてきてくれて、咄嗟に俺はエティアのこと想ってるって言い出しそうになって。けれどクレアに言うのを止められた。俺の答え分かっててそれでも自分の気持ち伝えてくれて、本当に強くなったんだなって思ったよ。だから俺もクィーンとフォールドする前にちゃんと伝えたかったんだ」
エティアはいつの間にか静かに話すカンナの横顔を見ながら、彼のシャツの裾をキュッと捕まえていた。
クィーンとフォールドした時の光景がフラッシュバックしたからなのか、改めてクレアへの想いを聞くのが怖いからなのか、彼女自身よく説明出来ないものだった。
「エティア?悪い、思い出したか?」
「ううん、大丈夫よ」
虚勢を張るエティアをカンナは抱き寄せて頭を撫でた。
「愛してるのはお前だけだよ」
普段照れてなかなか言わないセリフを、恥ずかしそうに言うのが嬉しくてくすぐったくて、エティアはカンナを抱き締める腕に力を込めた。
「当たり前じゃない」
エティアの答えにカンナが笑っているので、文句を言おうと身体を離した。
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