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あの店のフランスパンにボロネーゼを乗せて食べる。……ヤバいな。想像しただけでよだれが出そうだ。
不審者扱いをされたくはないので、必死に表情を取り繕う。
電車を降りてからは、マンションまでの道を小走りで進んだ。
これだけ楽しみにしていたのだから、俺は悪くない。
「ただいま俺のフランスパンとボロネーゼ!」
部屋に飛び込んだ瞬間、国枝からものすごい冷ややかな目で見られたんだが、どう考えても俺は悪くないはずだ。
「おかえり颯吾さん。フランスパンを買ってきたのは俺で、ボロネーゼを作ったのも俺だけどね」
おお、なるほど。そういう考え方もあるわけだ。俺が悪かった。
「ただいま国枝くんありがとう国枝くん! フランスパンとボロネーゼ用意しといてくれ。先にシャワーしちゃうから」
「今日くらいズボン履いて出てきなよ」
今日くらい全裸で浴室に行ってもいいくらいなんだけどな。
怒らせてもあれなので、鞄をソファーへ投げてそのまま浴室へ行った。
明日はスーツもシャツもクリーニングに出すから、いいだろう。なんて思ったのが間違いだったと気づいたのは、シャワーを済ませ身体を拭いたあとだった。
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