第1章 #5

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 けど、俺男だからな。  生足気に入ってくれても、胸ないしなあ。背だってけっこうあるし。可愛くないし綺麗でもない、普通の男だ。休みにはぐうたらしてるし、これといった取り柄もない。  いくら告られたからって、なんでよりにもよってノンケを好きになっちゃうかな。先行き暗いじゃんかよ……。  沈んでいく気分を変えようと、乱暴にガシガシ歯を磨いた。ウガイをしてリビングに戻ったら、テーブルが綺麗に片されていた。 「颯吾さん明日仕事? 休みならバドミントンするよね」  布巾を干し、テーブルを横切り近づく国枝に首を振った。 「休みだけど、腹痛いからやめとくわ」  なんかちょっと、赤くなってたんだよな。 「下したの? 下痢止め飲む?」  なんでだよ。笑って国枝の腹に拳を当てる。 「違うよ、隆史に殴られた、……と、おやすみー」  拳を引っ込め、横にある扉へ手を伸ばす。  明日も天気いいみたいだし、のんびりだらだらするかな。  ノブを回す俺の手に、国枝の大きな手が重なった。 「今、なんつった?」
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