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なんかしっくりするけど違う気がするな。
「バイ? その人バイなの? 颯吾さんの会社、どうなってんだよ」
言われてみれば……。
手にしていたフランスパンにかじりついてから、コーヒーを啜り流し込む。
「ほんとだよな、営業にバイとゲイが二人づついるとか、すごいよな」
探せばまだいたりして、なんて笑ったら、国枝は額を押さえて渋面になってしまった。
「ほんっと能天気だねあんたは。んで? その篠原ってのは、颯吾さん狙ってたりしない?」
あ、なんだ。そういう心配してくれてたのか。
俺は国枝に、にっこり笑いかけ頷いた。
「ないよ。国枝が心配するようなことは、ない」
なんか、ヤバい。心配してくれてるんだな。
相馬のことも気にしているようで、よく聞いてくるけど。あれは俳優とかを見てるみたいな感覚なんだって説明したけどさ。
そうだよな。残業とか、接待とかで遅くなっても起きてるんだよな国枝。
なんか、いいな。心配されるのって、大切にされているみたいで嬉しい。
そんなふうに思うのは、俺が国枝を好きだからかな。他のやつに心配されても、干渉すんなって思うよな。
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