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「大丈夫!
わたしは、こう見えても結構強いのよ。足手まといにはならないわ」
「あ……あ~…うん。
それは何となくわかったけど…」
っていうか……
この女、一体何者なんだ!?
そりゃ、女一人で東方大陸からここまで旅して来たなら、それなりに戦い慣れしているんだろうし、槍術の心得がありそうだとは思っていたが……
いやいや
槍術以前の問題としてだな。
コイツ、あの大男をくし刺しにしてたよな?
通常、槍で人間を貫通させるには
馬に乗って、超突進し
「えいやー☆」
と、勢いをつけて相手を突き刺さなければできない芸当だ。
この男みたいに、分厚い筋肉に包まれた相手を刺すなら尚更強い力が必要だろう。
「あ、わたしって
生まれつき、ちょっと人より力が強いみたいなのよ」
ちょっとってレベルじゃねーだろ!? 女どころか、人間ばなれした馬鹿力じゃん!
……とは思ったが
下手なコトを言って、くし刺しにされたらヤだから黙っていた。
「……仕方ない。 ここまで来たら乗客たちを助けるぞ!!」
そう言うと、俺とメノウは五人の死体が転がっている客室をあとにした。
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