海賊と人魚

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俺の下半身は人間と同じように股があり、両足の形も足首まではほぼ同じ。 ただ、膝から下は真っ赤な鱗がびっしり生えており、人間でいうつま先の部分が魚の尾鰭のような形になっていて……そう、ぱっと見は奇妙なデザインの赤いブーツを履いているように見えるのかもしれない。 あとは、普段はマフラーや髪で隠しているが、首筋にエラがついているコト……あ、この故郷の汚ねえ海みたいな青灰色の髪も人魚の特徴なんだっけ? なんでも、海色の長い髪を流しておくことで、外敵から身を隠すための保護色になるのだとか そんな俺の姿を見て戸惑ったように、彼女は質問する。 『……お前はヒトか? それとも、我らの同胞なのか?』 俺は、正直に答えた。 『……その答えも 今、俺が探している途中さ。 父親が人間で、母親が人魚。 俺は、そのハーフなんだよ』
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