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……諦めるしかないのだろうか…
……いや!
普通の人間だったキャプテン・ホークが海底都市に潜ることが出来たのだ。
きっと、何か海底に潜れる方法があるハズだ!
その方法を見つけ出していつか必ず、海底都市をこの目で確かめよう…!
そう心に誓うと、俺はメノウを抱え、海面に向かって泳いでいった……
◆◆◆
海面から顔を出し、新鮮な空気を吸うと
「おい、生きてたぞ!
誰か手を貸してくれ~~!」
と、客船の水夫たちが救助に来てくれた。
「よく無事だったな!
あれから30分しても戻って来ないから、てっきり死んじまったのかと…」
無事、自由になった乗客・スタッフ一同は、安堵の顔を浮かべて俺たちを迎える。
……30分間ものんきに人魚と世間話をしていたとは、流石に言えないな……
「あ、ああ……俺は大丈夫だ。
それよりメノウのコトを頼む!」
船医に診てもらった結果、メノウは右腕と左ももを撃たれだいぶ出血したらしい。 しかも、30分間も海に沈んでいたとなると……
「残念じゃが……」
と、船医が匙を投げた3分後にメノウは息を吹き返し
「おナカすいた……」
などとのたまって、シェフが彼女のために特別に作った海鮮リゾットをペロリとたいらげた。
…普通ならまず死ぬような大ケガしておいて、半日で完全復活をとげやがったぞ、この女。
バケモノじみているとは思っていたが、まさか不死身か!?
「そうなのよ~
わたしって、昔からすぐにケガとか治るタイプみたいで……」
と、あっけらかんと答えるメノウ
いや、流石に
「不死身か!?」とは聞いてないぞ?
いくら俺でも、女相手にそんな失礼なコトは……
「……そういや、メノウ。
暗がりで見たときは、綺麗な銀髪だと思ってたけど……明るい所で見ると、なんか婆さんみたいにパサパサした白髪……」
「もう……ギルったら!
失礼なコト言わないでよ!」
……何故か怒られた。 全く、女心というものは分からない。
「それよりも……ねえ、ギル。
あなたが、わたしのコト助けてくれたのよね」
「あー、まあな……」
助けには行ったけど、その結果が海中で30分間放置という……
「助けてくれてありがとう……ごめんなさいね。 わたし、ギルが船長さんを人質にとった辺りから意識がもうろうとして、あまり覚えていないの……せっかく助けに来てくれたのに」
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