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俺は、欠けた左手の薬指を眺めながらそんなことを考えていると
「皆さん、ご覧下さ~い!
あの先に見えますのが、ネプチューン島でございま~す♪」
甲板の船首の辺りから、ガイドのねーちゃんの声が聞こえてくる。
景色を見てみると、宝石の海の向こうに緑の陸地が見えてきた。
珊瑚礁でできた白い砂浜はまるで三日月のように湾曲しており、その砂浜に近づくにつれて海の色は、だんだん薄く透き通った色に変わってゆく。
その色彩は、さながらアクアマリンの浅瀬と呼ぶにふさわしい。
ああ、そうだ。
この景色をアイツにも見せてやらなきゃな。
俺は、医務室で眠るメノウを起こしに行った……
俺たちを乗せた船は
ネプチューン島へと上陸する。
そこは古くから人魚伝説が伝えられている、神秘の国
[ネプチューン]
そこには、どんな伝説の真実が眠っているのだろうか――
――[ギルバートの手記]
第百四十二頁より抜粋――
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