宝石の海と人魚

8/14
前へ
/52ページ
次へ
「人魚伝説を調べるにあたって 大陸各地の神話や民話を徹底的に調べ上げ実際に現地に赴いてみたんだ。 誰もが知っている有名な童話 [人魚姫]の舞台であるサザン王国 [海女房]が伝えられている ハマシマ島の海神[ウミンドウ] を古来より祀っていたとされるアマガミ遺跡 人魚伝説だけじゃない。 北東シンフォニア地方の民話 [雲の上の摩天楼] ビクトリア王国で盛んな [天使信仰] 未開拓の地ナスカに伝わる [鳥の人] そして…… 最古に創られたとされる神話[アレキサンド神話]の一節、天帝神アテンによる天地創造によると [神は三種の人間を造りそれぞれの住む場所を与えた]と書かれている。 その[三種の人間]ってのは[白人・黒人・黄色人]というのが一般的な解釈なワケだがこれは実は、[人間・鳥の人・そして人魚]なのではないかという仮説を立ててみた訳ですよ俺は。ネプチューンでは人魚の事を[海の民]と呼んでいるからさしずめ鳥の人は[空の民]人間は[地の民]と呼ぶのが相応しいと思うんだが、まあ名称については後日ゆっくりと考えることにしておこう。もちろんこの説が飛躍し過ぎていることは百も承知だが、俺だってただの妄想で言っている訳じゃない例えばコーシャンの湿地帯のあたりにある鳥の人系民話[羽衣妻]に出てくる、羽衣妻と人間の男との間に産まれた赤ん坊には背中に羽根があったとされているだろ?その赤ん坊の子孫とおぼしき男に昔会ったことがあるんだが、ソイツの背中の肩甲骨のあたりが異様に盛り上がっているんだよそれはおそらく退化した羽根ではないかと思うんだが…いやいやそんなの偶然だろ生物学的にありえないしとかいう頭の固いオッサンどもを黙らせるために俺と同じ説を唱える仲間たちとユニオンを組んで更なる研究を進めて今は三手に別れて研究をしているわけだ一人は[鳥の人伝説]もう一人は[天地創造の神話]について……
/52ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加