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一度目に読んだ時は、何に対して謝っているのか分からなかった。
だが、六畳間を見渡して、それが何を意味するのか直ぐに悟った。
目ぼしい電化製品が全て消え、母親の持ち物もキレイさっぱり無くなっている。
服もバッグも靴も装飾品も、化粧品までが持ち去られていた。
がっくりと、体の力が抜けていく。
立っていることもできずに、床に座り込んだ時だった。
インターフォンが何度も鳴らされ、激しく玄関の扉が叩かれる。
こんな時に何事かと、建は扉を開けた。
「……なんですか?」
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