第三話 監禁

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働いているときはあんなに時間が早く過ぎたのに、今はまだ一時にもなっていない。 定食屋のランチタイムは戦争だ。 十一時の開店から二時まで、毎日あっという間に過ぎてしまう。 「これ……けっこう大変だな……」 テーブルに頭を乗せて、どんよりとした気持ちになる。 勝手に洗濯や掃除をすることもできないし、テレビも好きじゃないし暇つぶしに読む本もない。 「あっ、これか」 目に入ってきたのは浅倉が置いていった新聞だ。 三紙だけ持っていって、二紙は残っている。 ぱらぱらと捲り、一面から読んだ。 政治の話し、株の話し。 どれもつまらない内容だけれど、コラムは意外と面白かった。 三面記事まで読みつくすとさすがに四時を回っている。 料理のページもあるので、時間がある時は古い新聞に目を通すのもいいかもしれない。
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