第三話 監禁

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「夜ご飯、作らなきゃ……」 浅倉が何時に帰ってくるかは知らない。 とうぜん、携帯電話のような贅沢品は持っていないので、あちらから連絡してくる手段もない。    用意だけして、ひたすら待つ。 浅倉が帰ってきたのは、昨日と同じ午後九時半を回ったところだった。 「お……おかえりなさい」 監禁をしている相手にその挨拶もどうかと思うが、他にかける言葉がみつからなかった。 もちろん返事などしてもらえないが、ネクタイを緩めながらじっと用意を始めたダイニングテーブルの上をみられる。
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