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「お前、まさか俺が帰ってくるのを待ってたのか?」
逆さにした茶碗が二つ乗っているので、建もまだ食べていないと気づいたのだろう。
鍋とフライパンに火をつけて、作った料理を温めながら建が顔だけ振り向かせる。
「……二人で食べたほうがいいかなって思って」
ご飯に味噌汁、肉じゃがに、ほうれん草のおひたし。
それと、夜だけ定食屋で出しているスペシャル冷奴を見よう見まねで作って出す。
スペシャルといっても冷奴の上に刻んだザーサイと塩をかけて、その上から熱々に熱したごま油をかけるだけだが、お酒を飲む人には好評だ。
だが、他は全て食べてくれたのに、浅倉は冷奴だけ一口しか食べずに残してしまった。
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