2497人が本棚に入れています
本棚に追加
/796ページ
「俺にしがみついていろ」
「くっ、う、ううっ……」
しがみついた状態だったので、浅倉の息が耳に当たった。
髪を撫でられ優しく宥められると、背中がゾクゾクしてもう何も考えられなくなる。
痛いのか気持ちいのかも曖昧で、頬に流れる涙を肩に擦り付けた。
「うん……気持ちいい」
トロンとした目で答えた。
正面には鏡があって、これが自分かと思うほどだらしのない顔が映っている。
最初のコメントを投稿しよう!