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浅倉との生活は、慣れると楽しかった。
楽しいから辛かった。
少しでも優しい部分をみつけると悲しくなる。
これが全て仮初の生活で、いつか終わるからだ。
そのいつかは、そう遠くないのも知っている。
母親がみつかるか、建が働けるようになるまで。
だから、建は、毎日、思い出をかみ締めた。
忘れないように。
離れても思い出せるように。
例え、それが夢の中でも――――。
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