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「あおい、あおい」あおいは名前を呼ばれて、その声の方へ視線を投げかける。
しかし、木の陰になってよく見えない。
あおいは、不思議に思って、問いかけてみた。
「私を呼ぶのは誰」と声を出すと、もう一度声のする方を凝視してみた。あおいの胸は、ドキドキとしていた。
それは、怖さによるものか、それとも、未知の人間の存在に対してか、好奇心からか、分からない。
しかし、次の瞬間には、木の陰から、一人の少年が姿を現した。
あおいは、少年の出現に驚いたが、次の瞬間その容貌にとても目を引かれ見入ってしまった。あおいは、黙ったまま、大きく見開かれた瞳は、その少年の容貌を捕えて離さない。
その少年は、髪が月のような銀色をしており、瞳は、森のような深い緑を思わせ、肌は白く、とても美しい少年が立っていた。
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