第1章

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台湾桃園国際空港。 「台湾って、こんなんでしたっけ?」 過去に一度来たことがあっても、気にしているのといないのではかなりの差がある。愛はかなり、驚いていた。 「こんなもんだよ。漢字が少し難しいのを除けば日本人には大体意味は理解できるし、何よりも日本語話す台湾の人が多いしな」 荒木は寝起きの顔をしかめながらてにした新聞を折り畳んだ。 「えー、と、そうじゃなくて、こんなに近代的なんだなって。ほら、一応中華圏だから、もっと赤押しなのかなって」 「どんな偏見だよ。じゃあ、日本にはまだ侍がいて、忍者がいるのかよ」 「そういう訳じゃないんですけどね」 ただ、あまりにも日本と変わらない。アジアだし、顔もなんとなくにているのも理解できるし解るのだが、ここは異国なんだなという感じが少なからずするのが普通だ。だが、降りたって未だにどこか、国内旅行にでも来たような感じが拭えないのである。 「取り合えず、ホテルに行って、チェックインだな。俺は明日から仕事だから、今日はどっか飯食いにいこう。屋台は旨いぞ」 「はあ」 愛は生返事をした。
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