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今朝見たテレビの天気予報は曇りだと言っていたが、
見上げる空には一片の雲もない見事な晴天だった。
降り注ぐ陽射しはほんのり柔らかく既に春の予感を孕んでいて、
ただ風の冷たさがそれを裏切っている。
マフラーからはみ出た耳の先が、
さっきから千切れるように痛い。
それでも自転車のスピードを緩めずに、
俺はノーブレーキで一気に坂道を下り切った。
何せ担任にも無理だから諦めろと言われ続けた難関の大学に、
今日晴れて合格できたのだ。
耳の痛いのくらい気にならない。
マスクで隠れているのをいいことに、
口元はさっきから緩みっぱなしだ。
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