辞書の想いは。

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進学する大学も指定校推薦で既に決まっていたわたしは、学校の帰り道にある本屋になんとなく立ち寄ったとき、それを見つけた。 この先、絶対に使わないであろう古語辞典。 しかも既に、わたしは自分の古語辞典を持っていた。 ……もっとも、それを使う機会はあまり無かったのだけれど。 そして大学では社会学を専攻する予定だった。 しかし買った。 何の躊躇いもなく、吸い寄せられるように買った。 これで先生を忘れずにいられるかもしれない。 そして本屋を出てから、初めて思うのだ。 わたしは何をしているのだと。
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