初恋

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利希は病院に来ていた。 左肩の痛みがひどくなって我慢出来なくなってしまったのだ。 レントゲンを撮り、診察室の前の椅子に座って、呼ばれるのを待っていた。 看護師『佐藤さ~ん。お入り下さい。』 医者『どうぞ。佐藤君だいぶ無理して投げたでしょ?』 利希『そんな事無いですけど…。』 医者『肩の骨がズレて神経に当たってるから痛みが出てるんだよ。暫くは野球をしたら駄目だよ!』 利希『何時までですか?』 医者『少し投薬で様子をみてみましょうね。無理して動かさないように。』 利希『…分かりました…。』 利希はどうして良いか分からなかった…。 野球が出来ない…。 元々左利きだった利希は父が強制的に右手で字を書く事、ボールを投げる事は教えてきたが、ピッチャーは無理だろう…。 そんな事を考えながら歩いていたら、自然と涙がこみ上げてきた…
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