64人が本棚に入れています
本棚に追加
利希は病院に来ていた。
左肩の痛みがひどくなって我慢出来なくなってしまったのだ。
レントゲンを撮り、診察室の前の椅子に座って、呼ばれるのを待っていた。
看護師『佐藤さ~ん。お入り下さい。』
医者『どうぞ。佐藤君だいぶ無理して投げたでしょ?』
利希『そんな事無いですけど…。』
医者『肩の骨がズレて神経に当たってるから痛みが出てるんだよ。暫くは野球をしたら駄目だよ!』
利希『何時までですか?』
医者『少し投薬で様子をみてみましょうね。無理して動かさないように。』
利希『…分かりました…。』
利希はどうして良いか分からなかった…。
野球が出来ない…。
元々左利きだった利希は父が強制的に右手で字を書く事、ボールを投げる事は教えてきたが、ピッチャーは無理だろう…。
そんな事を考えながら歩いていたら、自然と涙がこみ上げてきた…
最初のコメントを投稿しよう!