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御形に抱き寄せられ、二人で転がる。俺は、御形の腹の上に乗せられた。御形が温かい。間近で見ても、御形はかっこいい奴だ。整った顔に、優しい瞳。でも、俺は、男相手に、どうしたらいいかは分からない。
「大丈夫、もう寝込みは襲わないから」
黙っている俺に、御形はあれこれ気を使う。俺が、人付き合いが下手なだけだ。
「それと、俺、ちゃんと両親にカミングアウトしているから」
カミングアウト?
「黒井が好きでどうしょうもないと言ってある」
それでも、御形の両親、隣の部屋にしたのか?
「俺の了解もなく、そんな話をしたのか?」
俺は、御形の体の上から起き上がろうとし、御形に抱き戻された。
「片思いだとも言ってある。俺は、黒井を絶対に手放さないけどね」
変な奴に捕まってしまった。
ちょっと勉強したが、男同士のあれこれは、俺には出来そうにもない。少なくとも、御形相手だと、想像すらできない。
でも、キスは大丈夫だ。御形の手が、俺の首にまわり、引き寄せられる。もう一方の手が、服の中に入ってきた。御形の手が冷たくて俺の体がビクリと動くと、キスしながら御形が笑った。
「いい反応」
「手が冷たい!」
御形の手が、俺の背を這い回る。背ななんて、触られてもどうってことないはずなのに、すごく恥ずかしい。
「…もう、止め」
御形が起き上がると、俺は御形の膝に跨いで乗っているような恰好になった。急いで降りようとすると、両肩を抱きしめて押さえ込まれる。
「もう少しこのまま」
中心部に硬い感触がある。男だから仕方ないよな。嫌悪感よりも、申し訳なく思ってしまう。俺相手でなければ、御形、相手に不自由はしないのに。
「手でしようか?それ」
俺の視線の先を御形が目で追い、うなだれる。手でするくらいなら、俺にもできそうだ。
「ごめん。どうしょうもないな。好きな奴が前に居るだけで、興奮するな、やっぱり。自分で抜いてくるから、いいよ」
御形が部屋を出て行った。
御形の両親、居候の俺に、すごい部屋を用意していた。俺が、夜中まで仕事をしているので、遠慮しないで帰って来て欲しいと、庭から出入り出来るようにドアを付け足してあった。しかも、部屋が居間と寝室の二間に分かれていて、廊下に出なくても中で移動できるようになっていた。居間に、軽く洗面所も付いている。風呂は温泉を引いているので、真夜中でも入っていいよと言ってくれた。
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