第一章 自称高校生詐欺師

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 自称高校生詐欺師、黒井 典史。 名前は、親を呪うがごとくの読み方で、 くろいてんし。 実際、親を呪った訳ではないが、 この名前のせいで、 ことごとく嫌な思いをしてきた。  それはさておき、何故、自称詐欺師なのかというと、 霊能力者の家系というやつで、 祖母と母は霊能力者、 姉は占い師で生計を立てている。 父は普通の会社員だが、 俺の母、つまり妻を尊敬していて、 更に崇拝している節がある。 俺の名前に付いても、 俺が生まれた時、 母が『この子は天使よ』と叫んだとのことで、 真面目な父は『てんし』という名前にしたと勘違いしたらしい。 何の躊躇もなく俺を『てんし』という名前にしてしまった。
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