第一章 自称高校生詐欺師

3/31
前へ
/153ページ
次へ
 そして、俺に至っては、 今まで女系しか引き継がなかった能力を、何故か持ってしまった。 しかも、 中途半端に受け継いでしまい、 所により能力なし、所により誰よりも強く能力が出た。  時折、俺は、 祖母と母の元で、アルバイトをする。 故に、本来ならば自称霊能力者なのだが、 俺自身は自称詐欺師の方がピッタリくると思っている。  賑やかな教室で、 いつも浮いている存在。 俺は、霊能力者の家の者だと、 周囲には知れ渡っているために、 余り人と深く係ったことはない。 先生でさえ、 どこか遠まわしに俺を見ている。  世間の噂を全く気にしない、 荒川が前の席から振り返って俺を見た。
/153ページ

最初のコメントを投稿しよう!

612人が本棚に入れています
本棚に追加