プロローグ

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 「わー、ありがとう。これで、当分食べていける」  子供は目の前にある食べ物を見てはしゃいでいる。私は子供に何も返事をしない。喜んでもらえれば私はそれでいい。ここは地下街。ここの地区の住民は貧しい暮らしをしている。私の前で喜んでいるこの子も身なりがとても良いとは言えない。これでも、俺に会うというから、身支度を整えてきたのだろう。子供でこの生活を強いられてるとは。大人たちは何をやっている。何もこの子には責任はないのに。  「この量、一人で運べないから皆を呼んでくるね」  去っていく子供を見届け私は地下街から去る。呼ばれて来るのも子供だろう。仲良く大切に食べなさい。また、食事を届けるよ。  「いつか、君たちを救って見せる」
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