霧ヶ峰組の若頭

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  いや、何ほっとしてるんだ。ホストクラブだぞ、あんなどんちゃん騒ぎするところ…まぁ今までのよりはいいか。 『雨竜。進はどのホストクラブがいいかな』 「そうですね…やはり初心者はオーディンではないでしょうか」 『やっぱりオーディンだよね。ということで、進の勤務先はオーディンに決定!』 彰さん軽いな。しかし俺にホストみたいな喋りができるか? 「俺、本当にホストするんですか」 『いやいや、初っぱなからホストさせる気は毛頭もないよ』 そう彰さんは笑って言った。 「うちが経営するホストクラブは段階があってな。まず新人は裏方をするんだ」 「裏方?」 「デザートとかつまみを作ったり皿洗い、グラス拭きとかサポート的な感じだ。一定期間経ったら次はバーテン、また一定期間経ったら次はボーイを体験する」 『で、話し合ってどれも満足いかなかったらホストになるの』 「つまりボーイを続けたかったらボーイのままってことですか?」 『そういうこと』 その話を聞いて安心した。ホストクラブの事情は知らないけど、彰さんとこのホストクラブは普通じゃないな。そう考えていると助手席が開いた。
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