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「ただいまー、と」
助手席に乗り込んできたのはさっき男の拳を受け止めた寛さんだ。
「お、新人になったか」
「あ…久島 進です」
「俺は寛。よろしくな、進」
『因みに進の教育係は寛に任せるね。部屋も同室で』
「何となく分かってましたよ、了解です」
「車出します」
『おし、帰りましょう我が家へ』
こうして俺は流されるように霧ヶ峰組の構成員になった。
着いてびっくりしたのは構成員が並んでお出迎えをしたことだ。俺が車から降りた瞬間の殺気は半端なかった。本当に暴力団じゃないのか?
『全員に伝えて。10分後、大広間に集合』
「「はい、若!」」
彰さんの指示で構成員は散り散りに去っていった。俺はまた手首を彰さんに掴まれてつれていかれたのは大広間であろう場所だった。
『これから皆に進を紹介するからね』
「は、はい」
『緊張しなくていいよ。皆面倒見はいいから』
「はい…あの、聞きたいんですが」
『何?』
「俺が霧ヶ峰組の一員になったのは…望みを叶えたから、ですよね」
『うん、そうだよ。あの環境から脱する手助けをしたから。あと進は天涯孤独みたいだったからね、食い扶持に困らないように』
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