霧ヶ峰組の若頭

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  『……ん…進!』 「はっ」 物思いに耽っていると、彰さんの呼ぶ声で我に返った。周りを見ると大広間には彰さんと寛さんと雨竜さんだけが残っていた。どうやら集まりはお開きとなったらしい。 『疲れた?今日はもう休んでいいよ』 「あ、はい」 『でもお腹空いてるだろうから、部屋に夜食持っていくように言ったから』 「あ…ありがとうございます」 『じゃあ、また明日』 そう言って彰さんと雨竜さんは大広間を出た。そういえば夕方にパン一個食べたきりでお腹空いてる。 「じゃあ俺たちの部屋に行こうか」 「はい」 寛さんの後に続いて大広間を出た。霧ヶ峰組邸はとても広くすぐに覚えるのは難しいな。 「ここが俺たちの部屋」 部屋は畳で約8畳ほどの広さで家具もそれなりに置いてあった。 「洋服はこの押し入れの中で布団は敷いて寝る。明日は進の荷物を取りに行くのと病院な」 「病院、ですか」 「感染してないか調べるんだよ。ほら、分かるだろ」 そう言われて漸く気付いた。今まで調べようとも思わなかった俺は愚かだな。
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