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…なんで何も言ってくれないのかな。
嬉しい、とも思わないのかな…
「大河君!」
その時。
廊下から千紘さんの声がした。
「お、千紘さんが俺らの教室来るの、珍しいじゃん?」
浩平は俺にちょっかいを出す手を止めて千紘さんを見る。
「行って来いよー」
「何かあったのかもしれないよ。」
浩平と雅人に催促されて、大河は席を立った。
今度は俺が黙って弁当を食べる番だった。
正直、さっき返事をしてくれなかったのが結構心にきてしまっていて…
千紘さんのことも…
大河のことも…
見ることができない…
「…んじゃ、ちょっとだけ行ってくる。」
「弁当もらっとくわー」
「雅人、浩平見張っといて。」
「了解。」
「えー、酷いなぁ。」
大河は俺のことをちらりと一瞥すると、教室を出て行った。
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