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大河が出て行ってしまった後。
「あーあ、なんだかんだ、ラブラブじゃん。あの2人。」
口を尖らせながら大河の弁当箱を睨みつける浩平。
「うーん、どうかなぁ…ホントに付き合ってるのかなぁ…」
2人の後姿を見ながらつぶやく雅人。
「え、付き合ってない?んなわけないだろ。」
「どうかな。あの2人、先週より仲良さそうだし…」
「いいことじゃね?なんでおかしいの?」
「だって、あの仲の良さは、好き合ってるってより、友達同士みたいじゃん。」
「そうかぁ?な、龍はどう思う?」
「え。」
答えに戸惑う。
「…どうかな。でも、付き合ってるんじゃないかな。大河が、女の人に呼ばれて素直に行くことなんて、ほとんどないから。」
いつもと違う仲の良さ。
今は確実に…
俺と大河の距離よりも、大河と千紘さんの距離の方が、近いだろう。
…辛い。
今まで、どんな女の子と付き合ってもそんな風にならなかったのに。
仲のいい兄弟、の距離を保っていたのに。
今は…
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