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なんて…タイミングが悪いんだ…!
「…あ、ご、ごめん…」
「えっ、えっとね、龍君、これは…」
千紘さんは慌てて大河から離れ、わたわたと手を振った。
…付き合ってるよね、やっぱりさ。
「…あ、浩平たちには言わないんで、安心して、ください。」
俺は大河と千紘さんから顔を逸らした。
…見たくない。
これ以上、2人の仲の良さを見てるなんて、
耐えられない。
「…そういうことだからさ、大河。早く…来てね。」
「あ、あぁ…」
声を振り絞りそれだけ捨て台詞のように言うと、俺はその場から逃げるように走り出した。
…なんで、こんなに耐えられなくなってるんだろう、俺。
前はもっと普通でいられたのに…
教室に戻るのが嫌で、俺は屋上に向かった。
気づけば、頬には熱いものが伝っていた。
…あ、ヤバい。
でも、止まらない。止められない。
辛い。
苦しい。
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