Dragon's viewpoint 10

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屋上へ通じる廊下を走った。 角を曲がったとき… ドンッ 「痛ッ」 「わッ?!」 東堂先輩と出合い頭にぶつかってしまった。 「だ…大丈夫かい?龍君?」 「…大丈夫です…」 まずい。 この顔、見られたくない… 俺は下を向いて、必死に顔を隠そうとした。 「…先輩は、なんでこんなところに…?」 「あぁ、僕は、休憩だよ。1人で屋上で少し…考え事をね…で、龍君こそ、なんでここへ?しかも、走ってくるなんて…」 不思議そうに尋ねられて、返答にこまる。 「…あ、お、俺も、少し1人になりたくて…」 「ふぅん…?…って、龍君?…泣いてるの?」 「…え?」 さっき袖で拭いたはずの涙が、また流れ出した。 …クソッ… 止まれよ、バカ… 「…な、なんでもないで…す…ッ」 「そんなわけないでしょう?…どうしたの?」 堪えようとすればするほど溢れ出して、俺の頬を濡らしていった。
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