233人が本棚に入れています
本棚に追加
その後。
午後の試合が始まるぎりぎりまで、俺は屋上にいた。
教室に帰った後、俺は先ほどと同じように、なるべく普通にふるまうよう努力した。
…大河とも、違和感ないように、接して…
でも、明らかに俺たちの間の距離は広がってしまった。
大河たちは勝ち進み、決勝までいくことになった。
それはすごいことだし、優勝すると何かがもらえるらしく、2人もそれなりに燃えていたのはいい。
よくないのは…
「やぁ、龍君。君のバレーをやっている姿を拝見させてもらったよ。」
俺らの目の前に東堂先輩がいることだ。
次の試合まで時間が空いていたから、4人で日陰でうだうだしていた時だった。
「あ、ど、どうも…」
やだなぁ…
さっき会ったはずなのに、なぜか東堂先輩はそのことに関しては何も触れずに、さも今日初めて会った、みたいな態度をとってくる。
「もっと見ていたかったけれど、仕事の都合もあり、1試合しか見られなかったんだ。非常に残念。」
「そ、そうですか…」
そんなこと、さっき言ってなかったじゃないか…
「…なぁ、なんか東堂先輩ストーカーぽくない?」
小声で浩平が大河に囁いていたのが、俺の耳にまで聞こえる。
最初のコメントを投稿しよう!