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「…そう言ってもらえるのはとても嬉しいですが…俺なんかに構ってないで…」
とりあえず、東堂先輩に変なことは言われたくない。
早く仕事でどこかに行ってほしい。
「いいじゃないか。君に迷惑をかけている訳ではないし。」
「は、はぁ…」
…どうしよう…
「そういえば、大河君、君、サッカーの決勝に出るんだよね。」
いきなり、大河に話を振ってきたので驚いてしまった。
…やめてよ…
さっきのことなんか口に出された暁には…
「そ、そうですが。」
「頑張ってね。その時僕も仕事ないから、応援に行くよ。」
「…どうも。」
そっけない返事をして、大河はそっぽを向いた。
東堂先輩は肩をすくめると、どこかへ行こうと身体の向きをかえた。
…よかった…
ホッとしたのもつかの間。
「いいね、龍君。運動ができるお兄ちゃんがいて。」
「?!」
…意味深な言葉を残して行くなよぉ…!!
「…なんだろう。あの人来ると俺らも疲れる。」
東堂先輩がいなくなってから、ほぉ、と息を吐いて、雅人が言った。
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