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大河は俺の方を向いて、とても必死そうな顔をしていた。
格好からして、大河はボールを蹴ったのだろう。
そして、俺に向かってくるサッカーボール。
…あ。
俺に当たるかも。
そう思ったけれど、すぐに避けられるほど運動神経はよくない。
それに、大河が蹴ったボールだったら、当たってもいいかなって一瞬思ってしまった。
あは。
俺、やっぱり重症かもしれない。
ドゴッ
きゃぁぁっ!
案の定、サッカーボールは俺の頭に直撃した。
い、痛いッ!!
さすがに大河の力の入った蹴りを頭で受け止めるのは厳しかったか…
俺はボールが当たった勢いで体勢を崩し、その場にしゃがみ込んだ。
あぁ…
頭がガンガンする。
周りでは悲鳴をあげた女子たちや、応援していたクラスメイトが心配そうにしているのが、下を向いていてもわかった。
「だ、大丈夫か、龍?!」
「おい、頭とか大丈夫かよ?!」
いつの間にか試合が中断していて、
浩平と大河が、真っ先に俺に駆け寄ってきてくれた。
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