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「龍、気分とか悪くないか?」
いつもへらへらしている浩平が、真面目な顔をして俺に聞く。
「う…うん…なんとか…でも、クラクラす…る…」
「…悪い、龍。本当にごめん。」
大河は、とても申し訳なさそうな顔を俺に向けた。
下唇を噛みしめている。
…そんな、気にしなくていいのに。
避けられなかった俺が悪いんだから。
「試合、再開します!選手の人はコートに戻って。」
審判役の生徒が大河たちを急かす。
「…浩平、俺、試合抜けていい?」
でも、大河はその場を離れようとはしなかった。
「はぁ?何言ってんだよ。補欠いねーんだぞ。」
「けどよぉ!俺のせいで…!」
「雅人に任せればいいだろ?!何パニクってるんだよ、大河!」
「っ…」
…どうしよう…
心配かけたくない。
好きな人が辛い顔をしているのを見るのが、1番辛いのだ。
それに、俺は、大河にサッカーをして欲しい…
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