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「別にいいって。さっき他の役員から聞いたけど、大河たち、ちゃんと勝ったって。」
「そっかぁ…見たかったな…」
見られなかったのは残念だけど、優勝したのならよかった。
俺のせいで、楽しいはずの球技大会が、つまらないものになってしまったのではないかと、心配していたから。
「どうする?荷物持ってきてやろうか?」
「あー、大丈夫だよ。保健室の紙もらうだけだったから。俺も行ける…」
そう言って、2人で保健室から出ようとした。
「…やぁ、龍君、大丈夫だったかい?」
入り口に、東堂先輩が立っていた。
「…東堂先輩…」
「なんで、ここに…」
心哉も驚いた様子で東堂先輩に問いかけた。
「ん?…そうだね、龍君と話したいな、と思って。」
そう言って、東堂先輩は俺に近づいてきた。
俺は一歩後ずさる。
「…すまないけど、心哉君は、ここの鍵、職員室に返しておいてくれないかな。」
「…え、俺が…?」
「うん。後で先生が来るって言ってたし。…龍君と2人きりにしてもらえると、ありがたいかな。」
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