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「そ、そんな…気にしなくていいです。…辛いのは、先輩も、俺も同じですから。」
俺は慌てて手を振った。
そしたら、東堂先輩は、またとんでもないことを言った。
「でもね、龍君。…僕が言うのもなんだけど、君は大河君に気持ちを伝えていいと思うよ?」
「…え?!」
な、なんでそうなるの?!
「…気持ちは、伝えないと伝わらないからさ。…ん?」
東堂先輩が何かを言おうとした時、保健室に向かってくる足音がした。
「…一か八か…」
ぼそっと、東堂先輩が呟いた。
「…龍君。」
いきなり声のトーンを落とし、東堂先輩が俺の耳元で囁いた。
「…僕と…最後に、キス、してくれないかな。」
「ど、どうして…」
「別に、嫌ならしないよ。…でも、これはいい方に倒れると思う。僕に、いい考えがあるから。」
「…言ってることが全くわかりません…」
いい方に倒れる?
何が?
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